先日、新河岸川の近くに建つ「福岡河岸記念館」で、ふじみ野市が主催する「はた織り体験」に参加してきました。
伝統あるはた織りという貴重な体験を、市指定の文化財である福田屋の建物でおこない、上福岡の歴史に少しだけふれられた日となりました。
ぜひみなさんにも知ってほしいと思い、さっそくご紹介したいと思います。
明治時代にタイムスリップしたような立派な建物
福岡河岸記念館は、市指定文化財の回漕問屋福田屋の建物を保存・公開している施設です。明治初期に建造された主屋などを見ることができます。

周辺の住宅やお店と異なり、この一角だけまるで明治時代にタイムスリップしたような雰囲気。

入り口から見ると、中庭に面して右から主屋、離れ、文庫蔵があり、それぞれ昔の建物とは思えないほど立派です。
はた織りは貴重な体験 人気イベントです!
今回私がはた織り体験に参加したのは、2025年9月13日(日)。福田屋主屋のひと部屋でおこなわれました。
こちらが今回体験させてもらったはた織りの機械です。

教えてくださったのは、平成元年4月に発足した「はたおり部会<綾の会>」のメンバーの方々。伝統産業であるはた織りで、作品づくりや後世への技術継承に取り組んでいるそうですよ。
では、いよいよ本番です。

簡単そうに見えますが、動かす手順があって難しい!慣れていなくてぎこちないです(笑)。
講師の方にご指導いただきながら作業してくと、徐々にカタチになっていきます。裂いた細い布が一枚の布に織れていく様は、うれしくもあり不思議でもあり、とても貴重な体験となりました。
完成したのはこちら。ちょっと不格好だけどステキな感じに仕上がりました。

上級者であるはたおり部会のみなさまは、書いた下絵に沿って複数布をかえて織り込み、絵柄を作成するそうですよ。

主屋の2階に作品が飾ってありました。とてもステキですね。
このはた織り体験は、毎年夏季、月に一度の福岡河岸記念館離れの特別公開日に合わせて開催され、子どもから大人まで多くの方が参加する人気イベントなんだそうです。
興味がある方は、ふじみ野市報をチェックしてみてくださいね。
回漕問屋(かいそうどんや)のなごりがかいま見れる主屋
はた織り体験も無事終了し、建物内の見学もしてみました。
主屋の入口には「福岡河岸回漕問屋 福田屋」の看板が。

アンティーク塗装の古びた風合いがステキなおもむきある看板は、平成27年に市民の方からご寄贈いただいたものだそうですよ。主屋の入口にはふさわしい立派な看板ですね。
ちなみに回漕問屋とは、船で荷物を運んだり、荷物の仲介や売買、船頭のお世話などをおこなう業者のこと。だから新河岸川のすぐ近くに建っているんですね。
入口すぐ横には荷主が出入りする「帳場(ちょうば)」があり、帳簿付けをする帳場格子と机、そろばんや小銭入れなども展示されていました。

奥にあるいくつもの広い部屋は、かつて業者や船頭などでにぎわっていたそうです。

一番奥の土間は台所で、かまどや囲炉裏がありました。

この大きさのかまどを見れば、どれだけ大勢の食事をつくっていたかがよく分かりますね。
離れは明治期の木造3階建て 県内唯一の建物
離れは明治33年(1900年)頃に接客用として建てられたそうです。この頃の木造3階建住居で現存する、県内唯一の建物なんだとか。
特別公開されている2階と3階にもあがらせてもらいました。

カラフルなガラス窓や壁の透かし彫りなど、各階で細かい細工がほどこされ、手の込んだ作りが随所に見られます。

3階からはだいぶ遠くまで見渡せ、静かでくつろげる空間となっていました。
私は今回、ボランティアガイドから回漕問屋の繁栄・衰退の歴史や、江戸~明治時代にかけての福岡河岸の様子など、詳しく聞くことができました。
住んでいる街の歴史を知ることで、より地域への愛着が生まれたように思います。
行かれる方は、ぜひボランティアガイドをお願いすることをおすすめします。

福岡河岸記念館の場所は、上福岡駅東口から福岡中央公園前の通りを市役所方面に進んで徒歩約20分。駅前から市内循環バス「ふじみん号」でも行くことができますよ。
みなさんもぜひ「福岡河岸記念館」へ行って、上福岡の歴史にふれてみてくださいね。
福岡河岸記念館
住所:埼玉県ふじみ野市福岡3-4-2
アクセス:東武東上線「上福岡駅」東口から徒歩約20分
市内循環バス「ふじみん号」 AコースまたはEコースで「川崎」バス停下車約3分
TEL:049-269-4859
開館時間:10:00-16:00(5月から9月は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合も休館)、12月27日から1月4日
入館料:大人100円(20人以上の団体は1人80円) 小中高校生50円
駐車場:あり