朝霞で愛される元ラーメン店の味。「山猫軒」の絶品牛すじカレー

今回ご紹介するのは、朝霞台駅から徒歩約7分の場所にある山猫軒さんです。
地域の人々に支えられ、街と共に歩む温かいお店だと聞き、足を運びました。

街の風景に溶け込むたたずまい

お店には派手な装飾はありませんが、真っ白なのれんが目を引く外観です。
きれいに手入れされた店構えからは、お店を大切にする誠実な姿勢が伝わってきます。

入り口に立つとふわりとスパイスの香りがただよい、すぐにお店に入りたくなってきました。

困難に立ち向かうご主人の背中が伝える、店の温かさ

店内に入ると「いらっしゃいませ」と、ご夫婦の優しい声が迎えてくれました。
木の温もりに包まれたアットホームな内装です。

調理を担当しているご主人、実は昨年ご病気をされ、身体の片側が不自由になってしまったのだそう。
それでも「やっぱりもう一度厨房に立ちたい」という強い思いから、動く片方の腕で懸命に調理を続けられています。

共に支え合いながら笑顔でお店に立つご夫婦の姿からは、料理とお客様への深い愛情が伝わってきます。

メニュー表に込められた、今できることへの全力

メニューは牛すじカレーとつけ麺のみと、非常にいさぎよいラインナップです。

以前はラーメンも提供していましたが、ご主人の体調によりいままでのような調理が難しくなってしまったとのこと。

常連客からは「ラーメンを食べたい」とおしむ声も多いそうですが、いまは「カレーで頑張っていく」と前向きな気持ちで新たなスタートを切っています。

今回注文した看板メニューの牛すじカレーは、元々まかないなどで作っていた裏メニューだったそうです。
厳選されたメニューの裏には、「今できる最高のものを提供したい」というご主人の覚悟が感じられます。

どんぶりが語る歴史と、作り手の愛情

運ばれてきたカレーは、ずっしりとしたラーメンのどんぶりに盛られています。

一般的なカレー皿ではなくどんぶりを使うスタイルに、かつてラーメン屋として腕を振るっていたご主人の歴史と誇りを感じます。

湯気とともに立ちのぼるスパイシーな香りが食欲をそそり、そえられたコンソメスープからも作り手の優しさが伝わってきました。

毎日変化する、奥深いスパイスの味わい

カレーを一口いただきます。

牛すじの深いコクと旨味がすべて溶け込んだルーは、とても滑らかな舌触りです。
最初は爽やかな酸味が広がり、食べ進めるうちにスパイスのピリッとした辛味が喉の奥を心地よく刺激します。

このカレーは仕込みを別の日におこない、提供前に火を入れてスパイスを足しているそうです。
スパイスの焙煎(入り)具合によって毎日少しずつ味が変わるのも魅力の1つです。

同じ材料を使っていても日によって辛さが変わるという、手作りならではの一期一会の奥深さを堪能しました。

おいしく食べて、地域の財産を守る

現在の営業は週に1〜3日のみとなっています。
仕込み日を別に設け、体調を調整しながら無理のない範囲でお店を守り続けていらっしゃいます。

「もう一度厨房に立ちたい」というご主人の強い思いと、それを支える奥様。
山猫軒の一皿には、お二人の人生そのものが詰まっています。
お店に足を運び、おいしく食べることが、この名店を応援する何よりの力になるでしょう。

お腹だけでなく、心まで温かくなる山猫軒。
白い看板を目印に、ぜひ店主さんの情熱が詰まったカレーを味わってみてください。

「おいしかった、また来ます」
そんな何気ない一言が、ご夫婦にとって一番の励みになるはずです。

朝霞台で心も体も満たしてくれる、やさしくて力強い一杯。
少し元気をもらいたい時にも、ぜひふらりと立ち寄ってみてくださいね。

山猫軒
住所:埼玉県朝霞市三原3丁目1-34
アクセス:東武東上線「朝霞台駅」から徒歩約7分
TEL:048-465-6852
営業時間:11:30-15:00
定休日:月~木
駐車場:なし

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。