志木はいたる所に歴史的建造物が点在しています。そのひとつである「旧村山快哉堂」。
先日親子でお散歩ついでに訪れたので、管理人さんと楽しく話しながら、伺ったことや雰囲気などをみなさまにご紹介いたします!
7代続いた土蔵造りの薬屋に到着
場所は志木市役所のすぐ向かい、市民に人気の「Bakery & Cafe DAISY」に隣接しているいろは親水公園の中洲ゾーン。美しく敷かれた白段の先に、その建物はしっかりと存在感を醸し出していました。
付近には駐輪場とシェアサイクルであるダイチャリのポートがあり、後述する広場や近隣スポットへ、気軽に立ち寄れる場所として非常に良い立地です。なんとフリーのWi-Fiステーションもあります。
旧村山快哉堂とは一体・・・?
旧村山快哉堂とは、志木市の指定文化財として登録されている土蔵造りの建造物です。明治10年(1877年)に建設され、村山家が代々志木市で薬の製造や販売を営んでいたそう。
創業以来、平成5年(1993年)まで7代まで続いていたということですから、とても歴史の長い薬店だったのでしょうね。元々は志木市本町3丁目に建てられていたのですが、平成7年(1995年)に解体後同13年(2001年)に復元され、現在の形となったようです。
入口前にはお堀のような小川が流れており、橋を渡ると立て札がありました。
立て札には「伝統的建造物旧村山快哉堂」と題されており、その歴史が記されています。
表は土間の玄関が細長く広がり、上がり框の奥はフローリングで統一されていました。座売り形式だったそうで、お客様が板の間(畳)に座り、お店の人に商品を出してもらい購入する流れなのだそうです。中に入ると当時の看板や薬を作る時に使用されていた、道具や秤が展示されていました。
実際に商いをしていた時の着物も!なかなか趣きがあります。
当時販売されていた商品も披露されていました。しもやけ温湯薬、缶入りオブラート、ハエ取り紙など…。
建造物の木材は、埼玉県の「県の木」ケヤキの他、松、竹、杉が使われているとのこと。梁りはアカマツの一本木がそのまま使われ一切釘を使わずに組んでいると聞き、確かに立派で壮麗な内装だ、と惚れ惚れしてしまいます。
また、1階中央部分が2階まで吹き抜けとなっていることや、2階の看板両脇にある「ムシコ窓」という特有の意匠が本建造物の特徴だそうです。
裏手の広場は憩いの場
旧村山快哉堂の裏は、景色のひらけた広場として整備されています。
こちらは何度か子どもと遊びにきたことがありますが、芝生を散策したり、カフェ「DAISY」で購入したドリンクやパンを持ち友人と飲食したり、時にはひとりで考え事に耽ったり。広場は川が近いからか季節によってセミや蝶、トンボや鈴虫等が現れ、さりげなく咲いている花々は違う景色を見せてくれますよ。
腰掛けるベンチに加えて簡易的な飲食スペースもあるので、雄大な自然を眺めながら静かに過ごすにはもってこいの場所ですね。
私が来た時には、座って休んでいるご年配の夫婦や、お子様連れのご家族がすでに楽しんでいました。旧村山快哉堂ひろばは志木市で老若男女問わず、憩いの場として定着しています。
よ〜く探すと・・・かわいいあの像が隠れてる?!
実は、この広場にはカッパ像が3体います。カッパ像自体は志木市内に28体いるそうです。志木市のゆるキャラ「カパル」然り、ここは古くからカッパ伝説が伝わる地域。市内に散らばるカッパ像を、探索するのも住民の楽しみのひとつとなること間違いなし!
訪れた際はぜひ探してみてください。よ〜く観察すると、かわいらしい顔つきに、もれなく心が癒されることと思います。
奥にはシックなトイレも設置されています。一般的に公共施設の外トイレは、多少の古くささや使いにくさで避けがちです。しかしここはリニューアルされたこともあり、定期的に頻度の高い清掃がなされているのだなと感じる綺麗さを保っていました。
新河岸川の舟運に関する歴史が記された説明板も。
志木市は舟が盛んだったことに以前から気になっていたので、興味深く読みました。
各所に存在する志木の歴史的建造物。市民である私も子育てや仕事に追われ、なかなか目を向けることがありませんでしたが…こうして訪れることで、久しぶりに穏やかな時間を感じました。ぜひみなさんも一度、訪ねてみてはいかがでしょうか。
旧村山快哉堂
住所: 埼玉県志木市中宗岡5-1
交通:東武東上線「志木駅」から国際興業バス「志木市役所」
または東武バス「志木市役所前」より徒歩1分
連絡先:048-473-1134 (志木市生涯学習課)
営業時間:10:00~16:00 (火曜日休館)
HP:https://www.city.shiki.lg.jp/soshiki/46/2581.html