江戸時代に建築された古民家でSDGsな農家体験!和光市「新倉ふるさと民家園」

今日はどこをお散歩しようかな~とグーグルマップを見ていると、気になる場所を見つけました。

「新倉ふるさと民家園」です。
口コミを見てみると、なんと300年以上も前の古民家を移設してきた建物だということが分かりました。

江戸時代の貴重な建造物がこんなに近所にあるなんて、これはぜひ見てみたい!ということで、今回は和光市にある「新倉ふるさと民家園」をご紹介します。

古民家の正体は有力な農家「旧冨岡家住宅」

こちらが300年以上も前に建築された古民家です。
とても大きく立派な平屋です。

この建物(旧冨岡家住宅)は、冨岡家という農家の住宅です。
これまでの調査から、江戸時代中期の17世紀後半に建築されたものとされています。

昭和63(1988)年に、東京外郭環状道路の建設に伴い、旧冨岡家住宅は部材として解体保存されました。

平成15(2003)年11月3日に和光市の指定文化財となり、平成17(2005)年2月より復元工事が開始され、翌平成18(2006)年3月に完成したそうです。

ボランティアの方が詳しい解説をしてくれる

敷地内に入り、写真を撮りつつ建物に近づくとご婦人が丁寧に掃除をされていました。
どうやらこの施設はボランティアの方々によって、キレイに保たれているようです。

受付と書いてある場所で検温と消毒をします。

すると先ほどのご婦人が旧冨岡家について、詳しく解説をしてくださいました。

江戸時代建築の工夫と身分制度

この茅葺屋根は、5年ほどで新しくするそうです。

表面のとくに日の当たりにくい場所からコケが生えてぼろぼろと落ちてくるのだそう。
なので場所によって色が違うのですね。

ちなみに今の屋根は3年ほど経っている状態だそうです。

一番下に組まれている竹は、きちんと中が空洞になっていないもの(穴がふさがっているもの)を選んで、虫に入られないようにしてあるのだそうです。

そうすることでしっかり屋根を支えてくれているのですね!

よく時代劇なんかで見るお台所でしょうか。

この囲炉裏は毎日きちんと火を焚いているのだそうです。

私が訪れたのはお昼過ぎだったのでもう消してしまった後でしたが、午前中であれば火の焚いた状態を見られるかもしれません。

フローリングになっている座敷が家族が主に過ごす場所です。
奥に畳の部屋が見えますがこちらはお客様用で、あまり家族は使わないようにしていたのだそうです。

このお客様とは友人などではなく、お役人の事です。江戸時代の士農工商という身分制度が感じられますね。

写真の左奥がお役人の為の玄関となっていて、右奥の部屋はお産などで使われたそうです。

家族が普段過ごす座敷よりも畳の部屋が一段高くなっている作りも、身分の差を表しています。

綿花や稲作、CMで使われた湧水の井戸も♪

庭には背の高い木と、お花畑がありました。
そこで気になったのがこちら、綿花です!

私は初めて見たのでとても感動しました。
新倉ふるさと民家園で育てているのは、江戸時代にも日本で栽培されていた「和綿」と言われる綿花だそうです。

現在、商用に栽培されているもののほとんどが外国の綿花だそうで、和綿は珍しいようです。

ふわっとしていてかわいらしいですよね。

「あっ井戸がある!」と思い写真を撮ったのですが、こちらはなんと外側の設備を整えてからいざ井戸を掘ろうとしたところで、埼玉県の許可が下りず断念したため、実際には使えないのだとか…。

そしてこちらの井戸ですが、見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。

あの女優の石原さとみさんが、東京メトロのCMで体験していた井戸なのです!
私も人生初の井戸を体験させていただきました。

井戸からくみ上げられた水は、隣のため池に流れるようになっています。
この新倉周辺は昔から湧水の町だったそうで、夏は冷たく、冬は温かい水が出るそうです。

この湧水を使って、これから寒くなると大量のたくあん作りをするそうですよ!
たくさんの大根を古民家の軒下に吊るして干している風景はとても風情がありますよね。

湧水を使って稲作もしていました。

現役で動く農工具がたくさん

古民家の周りにはたくさんの農工具がずらっと並べられています!
使用されていた時代はバラバラですが、全てきちんと今でも動くそうです。

この農工具たちは冨岡家にあったものの他にも、いろんな周辺農家から集められたものだそうです。

展示されている農工具ひとつひとつ全てに詳しい説明書きがあります。
とても勉強になりますね。

歴史を感じ、体験もできる貴重な場所

古民家の隣にある管理棟には子ども向けの昔ながらのおもちゃが置いてあります。
こま、ベーゴマ、けん玉、竹馬などです。

新倉ふるさと民家園では季節の行事を大切にし、さまざまなイベントも企画しています。

11月20日(日)には収穫祭の企画もされているそうです。
農工具の体験、竹笛づくり、伝統芸能の白子囃子、季節の野菜販売、蒸かし芋試食、ベーゴマ大会など、盛りだくさんです。
参加には申し込みが必要なので、公式HPをチェックしてみてください。

私はぜひ、たくあん作りの季節に子供を連れて再訪したいなと思いました。

みなさんも300年の歴史と文化を体験できる新倉ふるさと民家園に遊びにいらしてみてはいかがでしょうか。

新倉ふるさと民家園
住所:埼玉県和光市下新倉2-33-1
アクセス: 東武東上線-東京メトロ有楽町線・副都心線和光市駅下車北口約700m
開園時間:4月~9月 午前9時~午後5時
     10月~3月 午前9時~午後4時30分
休園日:毎週水曜日
    毎月第4木曜日及び第4金曜日(休日を除く)
    年末年始(12月28日~1月4日)、その他臨時休園(荒天、保守点検等)
入園料:無料
管理団体:和光市古民家愛好会
電話番号:048-467-7575
注意事項:・文化財のため園内はすべて禁煙です
     ・ペット類を連れての入園はご遠慮ください
     ・許可なく営利を目的とした撮影はできません
     ・ゴミ箱がございませんので、ゴミの持ち帰りにご協力ください

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。