東京ドーム9個分の広さに史跡・文化財が満載!新座市の平林寺

今回はずっと気になっていた、新座市にある「平林寺」というお寺に行ってきました。

金鳳山平林寺(きんぽうざんへいりんじ)

平林寺は、京都にある妙心寺(みょうしんじ)を本山とする臨済宗の禅寺で、

境内全域が禅修行の専門道場となっています。

1375年、現在のさいたま市岩槻区に創建され、その後1663年、

徳川幕府の老中(ろうじゅう)と川越藩主を務めた

松平信綱(のぶつな)の遺命により野火止へ移転されました。

ここは松平一族の菩提寺となっています。

境内が広すぎる!

立派な門を目の前にドキドキです。

この総門をくぐった先には、東京ドーム9個分もの広さの境内林がひろがっているとのこと。

想像以上に広い…。

いざ、マップを見ながら散策です!

かやぶき屋根が印象的!

入口の総門もそうですが、入ってすぐ目に入る山門や

仏殿(ぶつでん)は見事なかやぶき屋根です。

県指定有形文化財にもなっています。

仏殿は、平安時代の末期から鎌倉~室町時代にかけて、

中国からの禅宗の伝来とともに見られるようになった

「唐様(からよう)」という建築様式をしています。

威厳のあるたたずまい。見入ってしまいます。

かやぶき屋根に感動しつつ、先へ進みます。

境内散策憩いの場 放生池(ほうじょういけ)

池の水は野火止用水から通じていて、真ん中には弁財堂があります。

水辺があると涼しくていいですね。

池の周りを歩いていると、気になるものが。

「ぱなし」はいけません…。

ついつい「ぱなし」をしがちなので気をつけます!

歴史の教科書で見たことある名前の数々…

墓石が並んだ場所に来ましたが、なにやら教科書で見覚えのある言葉が並んでいます。

島原・天草の一揆供養塔

あのカリスマ的存在、天草四郎がリーダーとして参戦した

天草・島原の一揆に関係あるの?!と思い、足を止めてしまいました。

でもなぜここに?

歴史を振り返ると…

江戸時代は飢饉(ききん)や災害が多く、特に1634年からの数年は凶作続き。

さらに藩からの重税もあり、九州の島原の農民も苦しんでいました。

苦しみに耐えかねた農民たちは、キリスト教徒たちと挙兵します。

幕府からすればすぐ鎮圧できるかと思っていたことでしょう。

ですが思わぬ苦戦を強いられ、なかなか決着をつけられず…。

そこで幕府は老中の松平信綱を送り込みます。

この松平信綱、頭が良すぎて相当のキレ者だったそうで、

別名「知恵伊豆(ちえいず)」とも呼ばれていました。

信綱が着陣して2か月。ようやく島原の乱は治まりました。

長々と語ってしまいましたが、その時の幕府軍の犠牲者が

ここ平林寺で弔われているのですね。

ここには他にも武田信玄の娘の供養塔や、

夏目漱石『草枕』に登場する「那美」のモデルとされた

前田卓(つな)さんのお墓があったりと、歴史に触れている気分になりますよ。

お堀!

平林寺堀は県指定史跡です。

松平信綱が総指揮者となって(総奉行)、野火止用水の開削事業が行われました。

お堀を見られるなんてちょっと感激。

さて、さらに奥へ進んでいくと…。

その数に圧巻!

3,000坪の広さがあるここには、松平信綱と一族の墓石、あわせて170基並んでいます。

状態の良さもあいまって、圧巻です!

地名の由来

「野火止塚(のびどめつか)」

かつては一面の平野だったところに、野火を見張るための小高い土盛り(どもり)が

数多くあったと言われています。地名の由来でもあるそうです。

業平塚(なりひらづか)

これも野火止塚と同じ目的で造られたと思われる塚です。

この塚まで来ると、だいぶ境内の奥まで来たことになります。

まだ道が続いているので行ってみると…。

境内林に思わず見とれます

奥まで来たので折り返して戻ることに。

木の隙間からさす光がなんともキレイです。

この階段の上には平林寺歴代住職の墓所があります。

階段に生えたコケがなんとも印象的で、思わず立ち止まってしまいました。

お寺の皆さんに感謝

散策の途中、作務衣を着た方々が草むしりをしているところに出くわしました。

横を通ると「こんにちは!」と気持ちいい挨拶をしていただけました。

広い境内はお寺の皆さんによってキレイにされているのですね。

気づくと境内の奥までじっくり散策しており、1時間以上滞在していました。

いたるところにベンチがあるので疲れた時には休憩でき、じっくり楽しめました。

歴史感じる平林寺。

秋は紅葉が美しいとのことなので、また来てみたいと思います。

臨済宗妙心寺派 金鳳山平林寺

住所:埼玉県新座市野火止3-1-1

電車:JR武蔵野線新座駅 西武バス停留所「平林寺」まで15~20分(道路状況により前後)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。