朝霞市にある国指定重要文化財「旧高橋家住宅」。
住宅街を進んだ先に見えてくるかやぶき屋根が印象的で、近くを通るたびに気になっていました。
古民家はたいてい別の場所に移築されることが多いですが、この旧高橋家住宅は300年もの間この場所にあり続けているとのこと。
行くだけでタイムスリップした気分を味わえそうです!
地元民でありながら行ったことのなかった旧高橋家住宅。一体どんなところなのでしょうか。
敷地に入ると50代くらいの女性がお庭の手入れをしていました。その方へ見学に来た旨を伝えると、親切にパンフレットをくれました。
ではパンフレット片手に、さっそく見学開始です!
メインのかやぶき屋根!
一番気になっていた、かやぶき屋根の主屋から見ていきます。
この屋根、江戸時代には荒川の方に生えていたカヤを使用していたと言われています。
カヤを長持ちさせるために、今でもかまどに火を入れて煙でいぶしているそうですよ。
部屋の中はなんだかおばあちゃん家の匂いがします。
中に入ってみると、玄関すぐのところにイロリがありました。
イロリって、もっと部屋の中心にあるイメージがありました。
当時、畑作業の途中、休憩するときに玄関付近にイロリがあるとサッとお茶を飲めて、すぐにまた畑へ出られることから、玄関近くにイロリがつくられたと考えられています。
なんとも実用的ですね。
ふと顔を上げると、7月ということもあって七夕かざりが揺れていました。
風通りが良いこの部屋でたなびく様子は風情があってステキです。
さて中へ進んでいくと、「デイ」という部屋があります。
デイ・・・初めて聞く言葉です。
この部屋は当時、客室として使われていたそうです。
見てみると、床には竹が敷き詰められています。竹すのこは夏でも涼しくて快適そうですね。
まだまだ現役?
主屋の向かいには井戸があります。
現在でも水をくむことができるそうです。(ただ、今はちょっと故障しているようです。)
お庭には井戸の他に、倉があります。渋くてなんだかカッコいいです。
倉の前には見慣れないものが。
これは計りですね。まだ使われているのでしょうか。年季を感じます。
家が・・・埋まっている?
ずっと気になっていた屋根だけ見えるこの小屋。
まるで地面にお家が埋まっているかのようです。
これはムロと言って、屋根の下に深さ3mほどのL字型の穴が掘られており、野菜を保存する場所だとのこと。
地面の下がどのようになっているのか見てみたいです。
自然と共に生きる!
水神様のほこらを発見です。
旧高橋家住宅のすぐ裏は崖になっており、下には湧水があったと伝えられています。
農家と水は切っても切れない関係。このほこらは、水の恵みへの感謝の気持ちの表れですね。
どこを歩いていても自然を感じるこの敷地。
古道・ふれあい広場・畑と書かれた矢印があったので見てみることに。
古道の梅の木にはたくさんの昆虫が集まっていました。
近寄って見てみると、小さいクワガタを発見!いまどき住宅街でクワガタに出会えるとは・・・。
ちょっと興奮しちゃいました。
ふれあい広場は草がキレイに刈り取られており、ちょっとした遊びまわれる場所になっています。思わず走り出したくなります。
奥の畑では今、キュウリやナス、トマトなどの夏野菜が育てられています。
季節を感じられて良いですね。
旧高橋家住宅では、七夕やお正月行事、野菜の収穫など、色々とイベントも開催されているそうです。
「朝霞」への郷土愛が増しそうな旧高橋家住宅。
皆さんもぜひ立ち寄ってみてくださいね。
旧高橋家住宅
住所:埼玉県朝霞市根岸台2-15-10
電車:東武東上線朝霞駅から徒歩25分
電話番号:048-462-7067
開園時間:午前9時~午後4時30分