埼玉県和光市白子3丁目にある「Patisserie Morceaux de nuage(パティスリー モルソードゥ ニュアージュ)」という小さな焼き菓子屋さんをご存知ですか?
店名はフランス語の直訳で「雲のかけら」。
その言葉のイメージから、ふんわり・軽い・甘いもの・夢のようなものという意味があるようで、オーナーは、ふわふわと優しい甘さをイメージしてお店にこの名前をつけたのだそうです。
どんな「雲のかけら」のようなお菓子に出会えるのでしょうか?
今回は、まるでフランスの街角にあるようなおしゃれな焼き菓子屋さん、「Patisserie Morceaux de nuage(パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ)」をご紹介します。
住宅街に突然あらわれた焼き菓子屋さんにびっくり!
少しくすんだ水色がシンボルカラーの「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」は、大きな通りからひょいっと覗き込んだ住宅地の一角に存在していました。
白地の壁にくすんだ水色のドア、壁にはフランス語でお店の名前が飾られてあります。
階段の横には看板もあって、できたてのプリンやお菓子たちがお客さまを待ち望んでいる様子が伝わってきます。
こんなところに、こんなおしゃれなお店があったなんて!
和光市に13年間住みながらもまったく知らなかった自分にビックリです。
ステキなお店のたたずまいに驚きながら、どんなお店かな?という欲求に勝てなかった私は、ゆっくりとお店の中へ入っていきました。
2段ほどの階段をのぼってドアを開けると、お客さまが一組入るといっぱいになってしまいそうな小さな空間に所狭しと焼き菓子が並べられています。
右手の奥にも、クッキーやサブレ、メレンゲなどの焼き菓子がいっぱい。
どこを見てもおいしそうな焼き菓子たちに目をうばわれ一人でキョロキョロとしていると、お店の奥からやさしい笑顔のオーナーが声をかけてくれました。
オーナーのこだわりがたっぷりつまった小さなお店
10年間の南仏菓子店での勤務を経たオーナーは、2013年6月21日に「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」をオープンさせました。
営業日は、木・金・土曜日の3日間のみ。
こちらお菓子作りから、販売・接客まで、なんとオーナー一人でされているそうです。
でもそれのおかげといってはなんですが、目の前で生地をこねたりバターを切ってお菓子を作っている姿を眺めることができます。
お菓子職人を夢みているお子さんを連れてくると、とても喜ばれるのではないでしょうか?
狭いスペースなので、次のお客さまがきたら帰らなくてはなりませんが、午前中でしたら比較的ゆっくりとオーナーのお仕事を見ることができると思います。
しかし、どうしてこの和光市にお店を?と尋ねたところ、和光市出身という訳ではないが、店舗を探しているときにご縁があり、こちらにお店をオープンすることになったのだそうです。
住宅地の中にオープンしたので最初は大丈夫かと不安だったが、反対に立地条件からいろんなお客さまが少人数で立ち寄ってくれるので、一人でお店を切り盛りしている側にとっても、ちょうど良い塩梅で助かっているそうです。
「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」のお菓子は、こだわって選ばれた原料によって作られた無添加のものが中心で、1商品だけ無添加ではないお菓子があるそうですが、それもその素材がないと作れない伝統菓子のため使用しているそうです。
安心・安全な食材を選び、素朴でやさしい甘さに満ちた焼き菓子がお店にはたくさん並んでいました。
子どもがいるご家庭には、本当に無添加のお菓子はありがたいですよね。
私が訪れたときも、2・3才くらいのお子さんがお母さんを引っ張るようにして「バナナケーキ」を買いにきていました。
聞けば、小さなころから通ってきてくれている常連さんなのだとか。
見るたびに成長が感じられてうれしいと、オーナーもいっていました。
その様子を見て、このお店は、ご近所さんやお客さまに本当に愛されているんだなぁと感じました。
「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」のこだわりの焼き菓子はこちらです
南仏菓子店で働いているころから素朴な焼き菓子が大好きだったオーナーは、そんなお菓子を作りたいとずっと思っていたそうです。
店頭に並べられたお菓子は、たしかに生クリームや華やかにデコレーションされたものではないかもしれませんが、安心をたっぷり感じる焼き菓子ばかり。
素朴な焼色にほっこり気持ちも安らぎます。
焼き菓子の中でもリピーターが多いのは季節のタルトだそうです。
タルトといっても、片手で気軽に食べられる手頃な大きさと、旬のくだものがたっぷりのった焼き色もかわいいお菓子。
その姿のかわいらしさに、リピーターが出る気持ちがよくわかります。
私がお店を訪れたのは2023年2月半ばの11時過ぎでしたが、残念ながらすでに一種類が売りきれていたので、いちごといよかんのタルトを購入しました。
帰ってすぐいただいてみると、タルト生地が本当においしい!
これにまず驚きました。
サクサクしているが適度なしっとり感があって食べやすく、タルト生地をもっともっと食べたくなります。
フルーツも素材の酸っぱさをちゃんと大切にしていて、ジューシーだけど変な甘さがありません。
こうなると、もう一種類がなんだったのか聞き忘れてしまったのが心残りです。
全種類制覇したくなりました。
さらに、おすすめは焼き菓子全般ですが、その中でもベーキングパウダーを使わずに卵の力で膨らませたパウンドケーキがいちおし。
ベーキングパウダーを使わないで膨らませる?そんなことができるのですね!
また、生地に混ぜる柑橘のピールやヘーゼルナッツのペーストなどの副材料も自家製で作っていると聞き、またまた驚いてしまいました。
話を聞けば聞くほど、オーナーが魔法使いのように見えてきます。
今回私が購入したのは、パウンドケーキのりんご。
ケーキに混ぜこまれたりんごのやさしい甘さに、おもわず頬がゆるみます。
生地もしっとりと香り高く、うっとりとしました。
その他、今回私が購入したのはこちらの5品になります。
①プリン
こちらも大人気で売り切れになってしまうこともあるようです。
ぜひお出かけの前に、お店のSNS等でチェックされるのをおすすめします。
プリンは、つるんとした食感で、驚くほど卵の味が残るカスタードが印象的でした。
生地の色がオレンジなのは卵の色からなのでしょうか?
カラメルも味は濃厚だけれど、食感がサラッとしていて非常に食べやすかったです。
つるん・サラッ・とろんっで、一気に食べてしまいました。
②ガレットブルトンヌ
たっぷりバターとフランス産自然塩を使ったフランス地方菓子です。
キレイな焼き色に惹かれて購入しました。
濃厚なバターの香りに包まれたサクサクッとした焼き菓子で、息子が口に入れた瞬間「これおいしい!」と声をあげたほど。
見た目は素朴なのに、重厚感のある焼き菓子のおいしさに感動しました。
③どうぶつクッキー
こちらは息子へのお土産として購入。
ヤギとウシのモチーフがかわいらしくて、一番最初に手に取ったクッキーです。
しっかりとした噛みごたえと、懐かしくなるような素朴な味。
何度も嚙むうちに甘さがフワッとたちのぼり、派手さはないけれども、しみじみと「おいしいなぁ~」と思えるクッキーでした。
今回はウシさんだったので、次はヤギさんを買おうと思っています。
④ふわふわバナナケーキ
さきほどのお子さんが買いにきていたケーキが、こちらのバナナケーキ。
あまりにウキウキしながら買いにきていたので、つい私も欲しくなってしまいました。
こちらを食べてみてびっくり!
ごろごろバナナが入ったケーキを想像していたら、キメの細かい繊細な口当たり。
でも食べてみると、はっきりとバナナの味がします。
ふわふわとした食感とバナナの味が絶妙にマッチしていて、小さいお子さんが夢中になるのもうなずけるおいしさでした
⑤チョコレート(いちごショコラ・ヘーゼルナッツショコラ)
SNSで「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」をチェックし始めたころから、とても気になっていたのが、こちらのチョコレートになります。
オーナー手作りのチョコなんです。
以前からこの技術を磨いていたそうですが、バレンタインデーなどの期間限定のみで販売していると聞き、そのあまりのうつくしさに一目で心をうばわれました。
今回幸運にも店頭に並んでいたので、すぐ購入!
いちごショコラとヘーゼルナッツショコラの2つとも、チョコの中に入っていたチョコクリームが本当においしかったです。
いちごショコラは想像以上になめらかなクリームでチョコらしい味が魅力的、ナッツも粒感がしっかりとあり、両方とも小さなチョコレートとは思えないほど充実した味わいがありました。
どれもこれも、食べていると頬がゆるんだりうれしくなったりと、幸せな気持ちになるものばかり。
使っている素材を見ても、全部オーナーが選んだこだわりのものです。
オーナーの、焼き菓子とお客さまへの深い愛情を感じますね。
まだまだ魅力的な商品がいっぱい
パート・ド・フリュイは、旬の果物のピューレをゼリー状に固めたフランスの伝統菓子で、こちらの素材を固めるために、唯一ペクチンやクエン酸を使用しているそうです。
このお菓子自体は以前から知っていましたが、フランスの伝統菓子とは知らなかったので、今度いろんな味を試してみたくなりました。
こちらは、はちみつやジャムのコーナー。
はちみつはこちらのものではありませんが、一人の養蜂家が責任をもって採蜜した100%天然のはちみつで、くりや菩提樹(リンデン)という品種がとても魅力的でした。
山形県産の紅玉りんごのジャムは、やはりオーナーの手作りだそうです。
どんなやさしいジャムの味なのか、こちらも機会があったら食べてみたいです。
他にも、手に取りたかった焼き菓子がいっぱいありました。
あれもこれもと思うものばかり。
せっかくこんなに魅力的なお店が和光市にあるのだから、ちょくちょくおじゃましようと思います。
「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」に行ってみよう!
「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」に行くには、残念ながら和光市駅からは少し離れているので、今回は成増駅からのルートをご紹介します。
成増駅北口を出たあと、ロータリーに沿って北に向かい巣鴨信用金庫・成増支店を通りすぎます。
アリエスの横も通りぬけ、右折し成増北口通りに入ります。
アリエスを右手にしばらく歩くと成丘通りに出るので向かい側にわたり、右折して道なりに歩きます。
左手に田原胃腸科が見えてきますので、そこを左折ししばらく道なりに歩きましょう。
300mほど歩くと、区立なります児童館が左手にあらわれますので、児童館とマンションの間の道を左折します。
そのまま70mほど行くと大きな道路に出るので、向かい側にわたりましょう。
そこを左折し、板橋区立天神下公園を右手に300mくらい歩きます。
左手にみどりの杜が見えたら、その手前の道を左折しましょう。
しばらく歩くと、白子川(成和橋)に当たりますので右折して川沿いを歩いてください。
そこから2番目の藤ノ木橋をわたり右折し、もう少し川沿いを歩きます。
次の白藤橋まできたら左折しましょう。
そのまま道なりに歩いて市場下公園を越え、右手側の2本目の路地を入ったところに「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」のお店があります。
成増駅北口から、徒歩で16分くらいでしょうか。
少し分かりにくい立地条件なので、多少迷う人はいるようですが、成増の街並みから和光市の白子川に抜けるルートなんて、なかなか体験できるものではありません。
徒歩が不安な方は、成増駅北口からバスが出ていますので、そちらをご利用ください。
また、どうしてもお店がわかりにくいという方のために、お店がある路地の角にお願いをして看板を貼らせてもらっています。
どうぞこちらを目印に、お店までいらっしゃってくださいね。
フランスの街角にあるような「パティスリー モルソー ドゥニュアージュ」でお待ちしております
丁寧に作られたやさしいお菓子。
手で持って食べやすいお菓子が多いので、気軽に立ち寄れる。
素材の味が全面に出ていて、素朴だが上品なフランス焼き菓子。
今回、私が「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」を訪れてみて感じた印象です。
このようなステキな焼き菓子屋さんを作られたオーナーが、このお店を始めたきっかけはなんだったのでしょう。
こちらも伺ってみました。
まず将来的に独立したいと思い、オーナーはお菓子の世界に入ったそうです。
そして人生が続いていく中、結婚、出産を経たオーナーは、小さな子どもがいながらでも自宅店舗ならお菓子の仕事が続けられるのではないかと思い始めました。
こうやって2013年6月、この和光市に「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」が生まれたのです。
素朴な焼き菓子が作りたいと始められたこのお店も、いつのまにか、ご近所さんやお客さまに愛される存在になりました。
これはやさしい笑顔のオーナーが、いつでも丁寧に手をかけて、手を抜かず、素朴だけれどしっかりとしたお菓子を作り続けたからにほかならないでしょう。
魔法使いのようにたくさんのお菓子を生み出すオーナーと、素朴だけどやさしい甘さに満ちた焼き菓子に会いに、フランスの小さなお店を思い出させる、和光市の「パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ」まで、どうぞ足をのばしてみてくださいね。
Patisserie Morceaux de nuage(パティスリー モルソー ドゥ ニュアージュ)
住所:埼玉県和光市白子3丁目24-52
アクセス:東武東上線成増駅北口から徒歩16分
東武東上線成増駅北口からバス+徒歩で合計8分 東武バス宮本循環(増07:宮本先回り)「市場」下車・徒歩約5分
TEL:048-423-8637
営業時間:10:00-17:30
営業日:木・金・土曜日
※新型コロナウイルス感染拡大等により、営業時間等が記載と異なる場合があります。訪問時は事前に確認ください。