「新座市観光ボランティアガイド協会」と歩く、歴史と自然を感じるまちめぐり

新座市には、まちの魅力を丁寧に案内してくれる「新座観光ボランティアガイド協会」があります。
平成20年6月の発足以来、市内外の方を対象に年間およそ40件のガイドをおこなっていて、新座市の歴史や文化、自然の魅力を伝えています。

観光客へのガイドだけでなく、市内の小学校での出前講座なども実施。
取材した日も野火止用水の方では、小学4年生を対象にしたガイドがおこなわれていたそう。地域の子どもたちが自分のまちを学ぶ、貴重な機会になっています。

5つのコースで楽しむ新座の魅力

ガイドと巡る「ガイドと歩こう新座の四季」は無料で参加でき、事前予約すれば誰でも案内してもらえるとのこと。気軽に参加できるのも魅力のひとつです。

新座市観光ボランティアガイド協会が案内しているコースは全部で5つ。

  • 野火止用水コース
  • 大和田コース
  • 野火止用水ウォーキングコース
  • 栗原・石神・野寺・満行寺コース
  • 法臺寺・妙音沢コース

中でも人気なのは、新座駅から平林寺までを歩く「野火止用水コース」。
所要時間は約1時間半ほどで、四季折々の風景とともに新座の歴史を感じることのできるコースです。

どのコースにも、四季折々の見どころがあり、訪れるたびに違った表情を見せてくれます。

法臺寺から妙音沢へ 2時間半の歴史散歩

この日参加したのは「法臺寺(ほうだいじ)・妙音沢コース」。
約2時間半にわたって、新座の誕生から片山地区の歴史、妙音沢にまつわる言い伝えなどを丁寧に案内していただきました。

集合場所から最初に向かったのは、地域に古くから親しまれている法臺寺。
立派な門をくぐると板石塔婆やお地蔵様などが静かに並び、長い年月の重みを感じさせます。

法臺寺をあとにし、馬場氷川神社へ向かう道すがらも、ガイドの髙橋さんは足を止めて、その土地に語り継がれるお話や、道の形の理由を教えてくれました。

曲がりくねった小道にも、かつての集落や人々の暮らしが関係していると知ると、何気ない景色が過去と現在をつなぐ地図のように見えてきます。

さらに進み蓮光寺や稲荷会館へ。
髙橋さんの解説を聞きながら、一つひとつの石碑に込められた祈り、各地に残る歴史の断片をたどって歩くと、普段の道やいつも見ているお寺が「歴史のかたりべ」のように思えてきます。

そしてコースの締めくくりは、湧水のせせらぎが美しい妙音沢。
「平成の名水百選」にも選ばれたこの場所で、今も清らかな水が湧き出ています。

水音に耳を澄ませると、まるで時間がゆっくりとほどけていくよう。
弁財天にまつわる伝承など、地域の人々が大切に守り続けてきた文化を感じられるひとときでした。

ガイドと歩くことで、何気ない風景の一つひとつに意味があり、積み重ねてきた人々の営みが息づいていることに気づきます。
約2時間半の散策はあっという間でしたが、まちの奥深い魅力と温かさに触れられる時間となりました。

なにげない風景の中にある物語

この日ガイドを務めてくださったのは、髙橋さん(写真右)と梁川さん(写真左)。

髙橋さんは協会の理事を務め、約6年にわたりガイドとして活動されています。
穏やかな口調で語られるお話には、長年この地で培われた深い知識と新座へのあたたかな愛情が感じられました。

ガイドと一緒に歩いていると、普段何気なく通っている場所に、たくさんの物語が隠れていることに気づきます。
それぞれのお寺の成り立ちや地域とのつながり、その場所で語り継がれてきた歴史。
道端に立つ石碑ひとつにも意味があり、建てられた理由や由来を知り、そこに思いを馳せることで、これまでとはまったく違う景色が広がります。

髙橋さんの穏やかな語りに耳を傾けながら歩く時間は、過去と現在を行き来しているような不思議な感覚。気がつけば2時間半があっという間に過ぎていました。

新座市観光ボランティアガイド協会の活動を通して感じたのは、地域の歴史や文化を次の世代へと伝えていこうとする、温かい想いです。

住んでいる人も、新座市を訪れた人も、新座市の成り立ちや物語を知ることで、新座の魅力をより深く感じられるはずです。
週末のお出かけに、ガイドと一緒にまちを歩けば、きっと新しい発見が待っています。

新座市観光ボランティアガイド協会
住所:埼玉県新座市野火止1-1-1(新座市役所)
アクセス:JR武蔵野線「新座駅」から西武バス「大泉学園駅」行き、「新座市役所」下車すぐ
電話:048-424-4686(新座市役所 シティープロモーション課)
申込時間:9:00ー16:00
休館日:土日、祝日、年末年始

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。