和光市にある湧水スポット「富澤湧水」は、昔から地元の人に大切にされてきた場所。
周辺には「大坂ふれあいの森」や「武州白子熊野神社」などもあり、のんびりと散策するにはぴったりのエリアです。
今回はこの「富澤湧水」について紹介します。
富澤湧水への行き方
富澤湧水へは、和光市駅から市内循環バス「中央コース」に乗り「白子コミセン」停留所で下車。降りるとすぐの場所にあります。
東武東上線「成増」駅からは、徒歩で15分ほどです。
武蔵野台地から水が湧き出る仕組みを見られる
富澤湧水は武蔵野台地下の地層から湧き出ているのですが、その仕組みを見ることができる貴重な場所でもあります。
斜面林の崖肌には、下から粘土質の東京層と、その上に丸みのある石が多い武蔵野礫(れき)層が見られ、その礫層の下部から水が湧いてくるという様子を見ることができます。
富澤湧水の楽しみ方
やはり、透き通る水を触ってみたいですよね。この水は、年間を通して常に17℃を保っているそうです。このまま飲むことはできませんが、持ち帰って煮沸すれば飲むことができるそうです(ただしその場合は自己責任でお願いします)。
都市部ではあまり見られない生き物に会えることもあります。アゲハ類などの蝶や、オニヤンマなどのトンボ類、それらの幼虫、運が良ければサワガニに会えることもありますよ!(時々、湧水や自然の生き物をたくさん捕まえたり、持ち帰ったりする方がいるそうです。生きものはもとにいた場所に返しましょう。生き物は大切に!)
湧水スポットの上の斜面林に行くには?
毎月第2土曜日の午前中に、NPO法人 和光・湧き水の会の方がこの場所の整備などをおこなっています。このタイミングで富澤湧水に訪れると、湧水スポットの上の斜面林への案内をお願いすることができるそうです。
今回私も案内していただきましたが、斜面林は「ここは本当に都市部?」と思うほど自然豊かな場所でした。上には所有者の方の祠があり、牧野富太郎博士(※)が発見・命名した「ヒロハアマナ」という、日本固有種の白く可憐な花が群生している場所があります(3月初旬が見頃)。
※牧野 富太郎(1862-1957)日本の植物学者。「日本の植物学の父」と呼ばれる。多数の新種を発見し、命名も行った近代植物分類学の権威。
(引用URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/牧野富太郎)
地元の方にも愛される、歴史ある場所
近くには、この湧水を利用している魚屋さんもありました。
地名にも残っていますが、この辺りは江戸時代にも「白子宿(しらこじゅく)」という、川越街道の宿場町として栄えた場所でした。昔は酒造りも盛んな地域だったとのこと。今もその面影を街の中で見つけることができますよ。
徒歩で行ける周辺の散策スポット
富澤湧水から歩いてすぐのところに「大坂ふれあいの森」という、小さな自然公園のような場所もあります。「カタクリ」「キツネノカミソリ」などの野草が自生している貴重な場所で、地元の人々の憩いの場になっています。
他には、富澤湧水と深く関係のある「武州白子熊野神社」もあります。とても古い歴史があり、雰囲気のあるステキな場所ですよ。湧水スポットとともに、これらの散策スポットも一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、2023年10月には和光市で「湧き水環境フォーラム」が開催されるそうです。もっと富澤湧水などのことを知りたい!という方は、ぜひご参加ください(詳細は、NPO法人 和光・緑と湧き水の会まで)。
富澤湧水
住所:埼玉県和光市白子2-14
アクセス:東武東上線「和光市駅」から市内循環バス中央コースに乗車、「白子コミセン」停留所すぐ
TEL:048-462-9912(NPO法人和光・緑と湧き水の会)
見学自由